在宅翻訳者として仕事をする上で、避けて通れないのが「個人情報の保護」です。
自分の氏名やメールアドレス、住所、クレジットカード情報などだけでなく、取引先のセンシティブな情報も日常的に扱うからこそ、万が一の情報漏洩は信頼の失墜だけでなく、契約解除や損害賠償にもつながりかねません。
本記事では、在宅翻訳者が実践すべき7つのセキュリティ対策をわかりやすく解説します。ぜひ最後までお読みいただき、ご自身の業務環境を見直すきっかけにしてください。
※この記事を書いている時点(2025/11/24)でのおすすめ事項です。
1. セキュリティ対策ソフトを導入する
まず第一に、ウイルス対策・マルウェア対策ソフトの導入は必須です。
Windowsには「Microsoft Defender」が標準搭載されていますが、在宅で仕事を行うプロフェッショナルであれば有料ソフトの導入を推奨します。
理由は以下の通りです。
- より高精度なリアルタイムスキャン
- フィッシング詐欺やランサムウェアへの強力な防御
- ネットバンキングやオンライン決済時の保護機能
- 専門サポートの提供(トラブル時に対応可能)
「費用を抑えたい」という気持ちも理解できますが、顧客情報の安全性と自身の信頼性を守るための“投資”と考えるべきです。
2. メールの取り扱いに注意する
メールはサイバー攻撃の入り口になりやすい媒体です。以下の点に十分注意しましょう。
- 不審な添付ファイルやリンクは絶対に開かない
- 送信元が知人でも、文面が怪しいと感じたら別経路で確認する
- 仕事用とプライベート用でメールアドレスを分ける
特に、海外クライアントとのやり取りでは、偽装メールに見抜きにくいものもあります。「念のため確認する」習慣が自分を守る第一歩です。
3. パスワード管理の徹底
「すべて同じパスワードを使い回している」
もしそのような状態であれば、今すぐ見直すべきです。
- 各サービスで異なる強力なパスワードを設定する
- パスワード管理アプリ(1Password、Bitwardenなど)を活用する
- 二段階認証(2FA)の導入も検討する
漏洩しやすい情報の筆頭が「パスワード」です。
強固な管理体制を築くことで、外部からの不正アクセスを防ぎましょう。
4. クラウドストレージの設定確認
DropboxやGoogle Driveなどのクラウドストレージは便利ですが、設定を誤ると情報漏洩の原因になります。
- 有料のクラウドサービスを使う
- 公開リンクを不用意に共有しない
- アクセス権限を「閲覧のみにする」「特定のユーザーのみにする」
- 二段階認証を設定する
クラウド上に機密ファイルを保存する際は、「第三者から見られる可能性がないか」を常に確認してください。
5. 公共Wi-Fiの使用を避ける
カフェや空港などで提供されている無料Wi-Fiは危険です。
- 通信が暗号化されておらず、第三者に覗き見されるリスクがある
- VPN(仮想プライベートネットワーク)を使用して通信を暗号化する
自宅以外で作業する場合は、VPNの導入が強く推奨されます。
VPNを使えば、暗号化された安全な通信が可能となり、個人情報や業務データを保護できます。
なお、ノートパソコンをのぞき見される可能性もあるので、のぞき見防止シートを使う、壁を背中にして作業する、絶対にパソコンを放置しない、ほんの少しでもパソコンから目をそらすときはパソコンをロック状態に切り替えるなどの注意が必要です。
6. クレジットカード情報の管理
- 信頼できるサイトでのみ決済する
- カード情報をブラウザに保存しない
- 決済履歴をこまめにチェックする
業務用とプライベート用のクレジットカードを分けるのも有効な手段です。万が一漏洩があった場合でも、被害を最小限にとどめられます。
7. 定期的なバックアップの実施
ウイルス感染やハードウェアの故障など、データ消失のリスクは常に存在します。
そのため、ローカルとクラウド両方での定期的なバックアップを習慣化しましょう。
- 外付けHDDに定期保存
- クラウドに自動バックアップ設定
「翻訳データがすべて消えた」「クライアントに納品できない」
という事態を避けるためにも、バックアップは必須です。
まとめ:自分の情報は、自分で守る時代へ
在宅で働く翻訳者にとって、セキュリティ対策は自己責任の時代です。
情報が一度漏洩すれば、信頼の回復は容易ではありません。
本記事でご紹介した7つの対策は、どれも基本的でありながら非常に効果的です。
できることから一つずつ取り入れ、安全で信頼される翻訳者を目指していきましょう。

