ときどき、「翻訳者は大勢いて、仕事の方が少ないのではないか?」と聞かれることがあります。
英語ができる人が昔より増えているので、需要(仕事)と供給(翻訳者)のバランスが崩れていて、翻訳者が余ってしまい仕事がないのではないかというのですね。
実際のところは、グローバル化に伴って翻訳の仕事は増えているので、翻訳者の人数が仕事に対して多するということはありません。
では、どうして翻訳者が余っているように感じるかというと、仕事のない翻訳者が多いからです。
「やっぱり、仕事が少ないんでしょ!」と思うかもしれませんが、そうではありません。
仕事のない翻訳者に仕事がない理由は、仕事を得るだけのスキルを持っていないからです。
英語が少し得意なだけで、翻訳スキルを持っていないのに「翻訳者」と名乗っている人がほとんどなんですね。
そうした人は、実力がないことがすぐに見抜かれてしまうので、仕事を獲得できないのです。
そして、本物の翻訳スキルを持っている人に仕事が集中することになります。
翻訳者は英語が得意ですが、英語が得意だから翻訳者になれるわけではありません。
そこが大きな間違いです。
では、どうすれば仕事の依頼が絶えない翻訳者になれるかというと、100人に一人のスキルを複数持つこと。
100人に一人のスキルを複数持っていると、
英語が得意な人:100人に一人
↓
その中で翻訳スキルを持っている人:100人に一人
↓
その中で専門分野がある人:100人に一人
↓
その中でコミュニケーション能力の高い人:100人に一人
というかけ算になるので、1/100×1/100×1/100×1/100=1/1,0000,0000というように、オンリーワンに近づくことができます。
(100人に一人というのは説明のための数字です)
もし英語力だけで勝負しようとすると、日本人の中でトップレベルの英語力が必要です。
でも、このように複数のスキルを掛け合わせることで、もっと簡単にライバルに勝つことができます。