概要
レッスン2では、読みやすい日本語の文章を書くためのルールを説明します。
過去を振り返って、あなたは文章の書き方を本格的に勉強したことがありますか?
おそらく、ないと思います。学校教育では、漢字を暗記したり動詞の活用形を暗記したりといったことは習いますが、文章の書き方はほとんど習いません。
このため、私が翻訳の仕事を始めるときには、かなりの時間を取って日本語を書く練習をしました。
「日本人なんだから、日本語なんか誰でも書けるよ!」
と信じている人が大勢いることは知っています。確かに、日本人なら日本語で文章を書けるはずです。
でもそれは、読み手にとって理解しやすい文章ですか?誤解されることは有りませんか?
実際に、私が日本語から英語への翻訳の仕事を依頼されたときに一番苦しむのは、「何を言いたいのかさっぱり分からない日本語の文章が多い」ことです。
かなり高学歴の人が書いた文章でも、ちぐはぐで意味不明です。主語と述語があっていなかったり、「それ・あれ」などが何を指しているのか、何度読み直しても分からないことは日常茶飯事です。
考えてみると、学校で習った文章の書き方というと、
「頭に思い浮かんだことを文章にしなさい」、
「息継ぎをするところに読点(、)を書きなさい」
ということだけです。
本格的な文章の書き方は、義務教育では習いません。だから、ほとんどの人が大人になっても、読みにくい我流の文章を書いています。
でも、翻訳者は文章を書くプロなので、我流では通用しません。
今回紹介するテクニックは、特に時間を使って練習しなくても、知っているだけで使えるテクニックばかりです。それでいて、知っているのと知らないのとでは、大きな違いが出てきます。
少しだけ時間をとって、このレポートを読み、読みやすい文章テクニックを身に付けてください。