講座が始まって数日、毎日届くメールにあるサイトを拝見しております。
質問はすべて共有されるとのこと、大変実用的とは思いますが
多少面食らっております。
質問についてはなるべくビジネスライクにしたいですが
生徒でもありますのでわかりにくい表現でもご何卒容赦ください。以下、質問
1. 固有名詞の訳について
Q&Aの中で、会社名が「ABC情報管理サービス」と表記されているものがありました。
現在の時流ですと、グローバル企業ではブランディングの観点から国によって
表記が変わらない様なっていると思われます。これについてどのように考えれば
よいでしょうか。
2. カンマとandの訳について
本文の中に、並列表記をするときにandが連続するものと、カンマが連続するものが
存在しています。Q&Aを拝見した私の理解ですと、カンマだったら句読点に置き換え
andだったら「~や」などそのままに表現する必要はないけれど、全体的に統一感が
とれるように、、というが正しい というのはあってますでしょうか。
3. IT用語の訳について
・これにはかなり混乱しています。
長年外資のIT企業に勤務してましたが、独特なんですよね。
Q&Aのなかに「initiatives」は「取り組み」とありました。
確かにそういう意味も含まれているとは思いますが、IT業界の「initiatives」は
プロモーション的要素が強く、推進していくこと自体を大きい概念でとらえたものとして
「イニシアティブ」というカタカナ単語が独立していると思われます。
念のため世界の最たるMDMベンダー3社のHPを見てみましたが
「イニシアティブ」という表記が多く見受けられます。またイニシアティブを拡大していく
という表記も見られます。今回の課題文もイニシアティブでよいのでは、、と
思うのですがどのように考えればよいですか。
・「delivery」もIT業界の場合、単純に配送することではなくソリューションを使える状態に
セットすることを含めた意味での「デリバリー」という言葉が独立していますので
文脈として上記をさしていれぱデリバリーでよいでしょうか。
・また「data cleansing」は、「データ洗浄」「データクレンジング」ともに定着していますが
どちらでもよいですよね。
・アセット、パフォーマンスなどは業界に限らず、ビジネス用語として使用されています。
上記も含めすべて企業のHPや成果物などからレベル感を確認し取引企業にも確認
することなのでしょうが、基本的にはどうなのでしょうか。
クロスインダストリーもそうですし、だんだん てにをは以外はこのままの方が
いいのではないかと思えてきてしまいます。。申し訳ありません。。
以下のとおりお答えします。
> 質問はすべて共有されるとのこと、大変実用的とは思いますが
> 多少面食らっております。
もともとは公開していなかったのですが、受講生さんから
他の人がどんな質問をしているのか知りたいという要望が多かったので
公開することにしました。
もちろん、個人を特定できることやプライベートなことは公開していません。
以前は1対1の閉じたやり取りでしたが
疑問と回答を共有することで、
全員がレベルアップできるようになりました。
> 現在の時流ですと、グローバル企業ではブランディングの観点から国によって
> 表記が変わらない様なっていると思われます。これについてどのように考えれば
> よいでしょうか。
会社名は、その会社のウェブサイトを見て正式な日本語名を使うのが基本です。
当講座では架空の会社名ですので、それらしい日本語訳を考えてください。
翻訳の練習ですので、英語のまま残すことは不可です。
> 2. カンマとandの訳について
> 本文の中に、並列表記をするときにandが連続するものと、カンマが連続するものが
> 存在しています。Q&Aを拝見した私の理解ですと、カンマだったら句読点に置き換え
> andだったら「~や」などそのままに表現する必要はないけれど、全体的に統一感が
> とれるように、、というが正しい というのはあってますでしょうか。
質問の意味が今ひとつよく分かりませんが、基本的な考え方は、翻訳講座ウェブサイトの『「および」、「または」を正しく使う』を読んでいただけば分かると思います。
ただし、エッセイのような気楽に読むタイプの文章の場合は、『「および」、「または」を正しく使う』のルールに従わなくてもかまいません。
> 3. IT用語の訳について
> ・これにはかなり混乱しています。
> 長年外資のIT企業に勤務してましたが、独特なんですよね。
> Q&Aのなかに「initiatives」は「取り組み」とありました。
> 確かにそういう意味も含まれているとは思いますが、IT業界の「initiatives」は
> プロモーション的要素が強く、推進していくこと自体を大きい概念でとらえたものとして
> 「イニシアティブ」というカタカナ単語が独立していると思われます。
> 念のため世界の最たるMDMベンダー3社のHPを見てみましたが
> 「イニシアティブ」という表記が多く見受けられます。またイニシアティブを拡大していく
> という表記も見られます。今回の課題文もイニシアティブでよいのでは、、と
> 思うのですがどのように考えればよいですか。
私は長年、IT翻訳をしていましたので、IT業界では「イニシアチブ」のようなカタカナ語が多用されることはもちろん知っています。
しかし、本講座では、日本語に訳せる言葉はできるだけ訳すというスタンスで指導しています。
なぜなら、安易に片仮名語を使って訳していると、訳語を調査・選択するスキルが上達しないからです。
なお、実際に仕事を受注したときには、その会社(クライアント)が持っている用語集やウェブサイトを参考にして訳語を選ぶのが鉄則です。
ちなみに、IT分野の翻訳では、かなり充実した英日用語集を渡されることがほとんどです。
ですので、IT分野であれば、訳語の選択にそれほど悩むことはないと思います。
> ソリューションを使える状態にセットすることを含めた意味での
> 「デリバリー」という言葉が独立していますので
> 文脈として上記をさしていれぱデリバリーでよいでしょうか。
その文書の読者が誰かを慎重に考えて、読者に「デリバリー」の意味が理解できるなら「デリバリー」でもかまいません。
おそらくIT技術者であれば、そういったカタカナ語を理解できると思います。
しかし、他社のサービスを導入する場合、決定権は技術者ではなくIT知識のない年配の人の可能生もあります。
技術者でない年配の人にも理解できるのかなど、読者がどのような人かを考えて訳語を選んでください。
> ともに定着していますがどちらでもよいですよね。
原則はクライアントの指示に従うことです。
指示がない場合は、Googleで検索してヒット数が多い訳語がより普及していると判断します。
より普及している訳語を選んでください。
> ビジネス用語として使用されています。
> 上記も含めすべて企業のHPや成果物などからレベル感を確認し取引企業にも確認
> することなのでしょうが、基本的にはどうなのでしょうか。
> クロスインダストリーもそうですし、だんだん てにをは以外はこのままの方が
> いいのではないかと思えてきてしまいます。。申し訳ありません。。
すでに述べたことの繰り返しになります。
原則はクライアントの指示に従います。
後は、誰が読む文書なのかを考えて訳語を選びます。
20代、30代の技術者なら「アセット」でも理解できますが、50代の管理職でも理解できるでしょうか。
技術者向けの文書なら「アセット」でかまいません。しかし年配の人や営業畑の人が読む文書なら、一般的な言葉を使わなければ理解してもらえないかもしれません。