更新:2019/11/14

翻訳講座の受講生さんから、片仮名語について質問があったので共有します。

カタカナ語に毎回とても悩みます。

課題の中で、カタカナ語ではなく日本語になおした方が良いと仰っていた単語がいくつかあると思います。

今まで『アプローチ』や『アクセサリ』などは、日本語の辞書に載っていたり、Googleで検索をかけてたくさんヒットしたり、有名ショップのカテゴリーにもなっていたりしたので、カタカナ語でも大丈夫かなと判断していました。

前回の課題の”Desktop”もネットで調べました。

現代の使い方として、オフィスにある仕事で使うものを『デスク』、読み書きの勉強や食事をとる、主に木製のものが『机』などと記載されたものがあったので、『デスク』としました。

その後、机の定義を調べて『デスクと同義』と出たものもありました。

『リストレスト』、『ワークステーション』などは日本語での言いかえが難しかったり、なかったりするので、カタカナ語で良いと判断できます。

しかし、どちらでも使えそうで、自分だったらカタカナ語のほうが分かりやすい、と感じる単語は毎回悩みます。

翻訳文の読み手や、専門の分野、場合にもよると思いますが、読む相手を選ぶような訳にはしたくないので、カタカナ語の多用はしないようにしたいと思っています。

カタカナ語がどのくらい浸透しているかの調べ方や、翻訳に使用する基準などがありましたら教えてください。

以下のようによく考えてみましょう。

『アプローチ』はどういう意味か、読者100人中100人が正しい意味を知っているでしょうか?

『アプローチ』には、申し出、提案、取り組み、やり方、手法、近づく、似てくる、提案する、取り組むなど、たくさんの意味があります。

読者は、どの意味で『アプローチ』が使われているのか正しく判断できるでしょうか?

英語を勉強していない人でも正しい意味を知っているでしょうか?

また、『アクセサリ』という言葉を聞いたとき、普通の人は何をイメージするでしょうか?

おそらく100人中100人、イヤリングやネックレスなどの装飾品をイメージするはずです。

課題の英文に出てくる「accessory」は装飾品のことではなく、パソコンの周辺機器という意味です。

『アクセサリ』と訳してはいけないことがお分かりのはずです。

現代の使い方として、オフィスにある仕事で使うものを『デスク』、読み書きの勉強や食事をとる、主に木製のものが『机』などと記載されたものがあったので、『デスク』としました。

このような使い分けをしている人がどれくらいいるでしょうか?

一部の人だけが使っている言葉や、一部の人が作った定義に従ってはいけません。

一般に広く使われている言葉を使いましょう。

『リストレスト』、『ワークステーション』などは日本語での言いかえが難しかったり、なかったりするので、カタカナ語で良いと判断できます。

これらは専門用語なので、片仮名でもかまいません。

カタカナ語がどのくらい浸透しているかの調べ方や、翻訳に使用する基準などがありましたら教えてください。

ネットで検索して、ヒット件数を調べます。

何件以上ヒットすればOKという基準はありませんが、ヒット数が多ければ広く使われていると判断できます。

ただし、「アクセサリ」がたくさんヒットするからといって、「周辺機器」という意味の「accessory」を「アクセサリ」と訳してはいけません。

必ず、その言葉がどんな文脈で使われているかを調べる必要があります。

なお、基本的に日本語に訳せる言葉はすべて日本語に訳してください。

ただし、専門用語と、特定の業界で普及している片仮名語は、その業界向けの文章では使ってもかいまいません。

追記:2019年11月14日

迷ったときは「基本的に、日本語に同じ意味の言葉があるなら、日本語に訳す」を基準に考えましょう。