範囲を限定する表現を避ける
たとえば、「resource」という単語が出てきたときに、内容から判断して「システムリソース」とか「情報資源」などと、余計な表現を付ける方がかなりいらっしゃいます。
「resource」という単語には、「リソース」「資源」という意味しかないのに、「システム」や「情報」などを勝手に付け加えているわけです。
内容から判断して、このように訳したほうが読者に分かりやすいだろうと考えられたのだと思いますが、実務翻訳ではこれはダメです。なぜなら、原文の著者は、「リソース」としか言っていないのに、翻訳者が勝手に「システムリソース」や「情報資源」などと、言葉の意味を狭くしているからです。
下の図を見ると分かると思います。
本来、広い意味で使われている言葉に余計な言葉を翻訳者が付け加えると、言葉の意味を狭くすることになります。
軽い読み物ならそれでも大事にはなりませんが、契約書や技術文書で言葉の範囲を狭くしてしまうと、大きな損害を与える可能性があります。
絶対に、言葉の意味を狭くするような「余計なひと言」を加えないようにしましょう。