物の数を明記する
この項目は、翻訳には必ずしも当てはまりません。
普段の作文のときの参考にしてください。
日本語では、特に物の個数が重要な場合を除いて、わざわざ物の個数を書きません。
物の個数が書かれていない場合は、個数が分からなくても意味が分かる場合がほとんどですが、日本語から外国語に翻訳するときには、これが大きな誤訳につながる可能性があります。
以下の文を見てください。
機械Aの上部カバーにボタンがあります。
この文では、ボタンの数はいくつでしょうか?
ボタンが1つあるのか、複数個あるのか、機械Aを見たことがある人にしか分かりません。
ボタンの数を書いていないということは、ボタンの数は重要でない場合であると考えられます。ただ単に、ボタンがあることを伝えたいだけなのでしょう。
しかし、この文を英語に翻訳するときには、ボタンの数を知る必要があるのです。
ボタンが1つの場合:
There is a button on the top cover of the machine A.
ボタンが複数の場合:
There are buttons on the top cover of the machine A.
英語では物の数が1個なのか、複数個なのかを明記する必要があります。
ボタンの数が重要でない場合でも、ボタンが1つあるのか複数なのかを明記する必要があるのです。
このため、「どうでもいいこと」のように思えるかもしれませんが、翻訳される可能性がある文章では、くどいくらいに物の数を書いておく必要があります。
上の文の場合、以下のように書くといいでしょう。
ボタンが1つの場合:
機械Aの上部カバーにボタンが1つあります。
ボタンが複数の場合:
機械Aの上部カバーに複数のボタンがあります。
ボタンの数がハッキリしている場合:
機械Aの上部カバーにボタンが5つあります。
上の文のように、物の数を記載することで誤訳を大幅に減らすことができます。