文を短くする
この項目は、翻訳には必ずしも当てはまりません。
普段の作文のときの参考にしてください。
誰にでも理解しやすくて誤訳されにくい文章を書く方法で最も簡単なのは、文を短くすることです。
口頭で会話をしているときに、文の長さを意識している人はいないと思いますが、普段の会話などでは1文の長さはかなり短いはずです。
これが文字の文章になると、やたらに長い文を書いてしまうのです。
特に、技術文書や特許明細書などでは表現しなければならない情報量が多いため、「〜して〜すると〜になって、そのとき〜になるので・・・」と延々と続けてしまいがちです。
この手の文章は、何度も読み直さなければ理解できません。
おそらく書いた本人でも、1か月後に読み直してみると理解に苦しむのではないかと思います。
長い文章を書いてしまったときは、とにかく短く切ってみましょう。
それだけで、かなり読みやすい文が書けます。
また、箇条書きを利用するのも文を短くするのに役立ちます。
たとえば、以下の文を見てください。
装置Aを装置Bに取り付けるには、装置Aを包装袋から取り出して、
ホースCの一端を装置Aの開口部に取り付け、ホースCの他端に部品Dを
取り付けてから、部品Dを装置Bの排出口に取り付けます。
作業内容を時系列に並べているシンプルな文ですが、「・・・して」が繰り返されているため読み手にとって理解しやすい文とは言えません。
この文は、以下のように箇条書きにして、短い文で表現することで、ずっと読みやすくなります。
装置Aを装置Bに取り付けるには、以下の手順に従います。
1.装置Aを包装袋から取り出します。
2.ホースCの一端を装置Aの開口部に取り付けます。
3.ホースCの他端に部品Dを取り付けます。
4.部品Dを装置Bの排出口に取り付けます。
一目見ただけで、だいたいの内容は推測できるはずです。もちろん、箇条書きにしなくても単に文を短くするだけでも、かなり読みやすい文章になります。
このように、文を短くするというのは、誤解を避けるための簡単かつ効果的な方法なのです。