翻訳をクラウドソーシングで依頼するときに失敗しない4ステップ
ツイートこのコンテンツは、10年以上の経験を持つ現役のプロ翻訳者であるアキラが、翻訳の仕事についてきるだけ分かりやすく説明するメディアです。
「翻訳会社はお金がかかるから、 クラウドソーシングで個人の翻訳者に頼もうかな」
急に翻訳しなければいけない文書が発生したとき、そんなふうにクラウドソーシングで依頼していませんか?
ランサーズやクラウドワークスに代表されるクラウドソーシング・サービスには大勢の翻訳者が登録しているので、翻訳が必要になったときにすぐに翻訳者を見つけることができます。
でも、クラウドソーシングサイトは誰でも登録できるので、翻訳者の質もピンからキリまであります。
この記事では、クラウドソーシング・サービスで翻訳者を選ぶときに失敗しないための4ステップを紹介します。
質の低い翻訳者を選んでしまうと、後で別の翻訳者にやり直してもらうことになるので二重の手間とお金がかかります。
最初から失敗がないように、翻訳者をクラウドソーシングで選ぶときは注意してください。
翻訳会社とクラウドソーシング・サービスの違い
翻訳の仕事をしてくれる人を見つける場合、翻訳会社に依頼するかクラウドソーシング・サービスで翻訳者を見つけるかという選択肢があります。
それぞれ以下のようなメリットとデメリットがありますので、それを理解した上で選ぶことをおすすめします。
翻訳会社に仕事を依頼するメリット・デメリット
翻訳者として翻訳会社と契約するには、各翻訳会社が実施するトライアル(試験)に合格する必要があります。
各翻訳会社が実施するトライアルは、「英語が得意な人」では合格することはできません。
英語が得意なことは当然のこととして、しっかりした日本語力を持ち、翻訳スキルと専門知識を身に付けた人でなければ合格しません。
つまり、日本語も英語もペラペラの帰国子女でも、翻訳スキルを身に付けていなければ翻訳会社の翻訳者にはなれないのです。
だから、翻訳会社では、全体的に翻訳者のレベルが高いと言えます。
さらに、翻訳会社は、大勢の翻訳者と契約しているので、貿易関係の文書は貿易に詳しい人など、翻訳文書の分野に詳しい翻訳者に仕事が依頼されます。
また、翻訳者が翻訳した文章を別の人が確認した上で納品されるので、よほど難しい文章でなければ翻訳文の品質は一定の基準を上回るものになります。
しかし、依頼人と翻訳者との間に翻訳会社が入るため、翻訳料金は高めになります。
メリット:翻訳文の品質が高い
デメリット:料金が高い
クラウドソーシングで仕事を依頼するメリット・デメリット
ランサーズやクラウドワークスのようなクラウドソーシングサイトには、誰でも翻訳者として登録することができます。
翻訳会社が実施するトライアルのような試験はありません。
だから、しっかりした翻訳スキルを持った人だけでなく、「英語が得意なだけの人」や「帰国子女だから英語は得意だけど日本語力に問題ありの人」、「翻訳を勉強中の人」も翻訳者として登録しています。
こうしたクラウドソーシング・サービスで翻訳を依頼するメリットは、翻訳会社に依頼するより料金が安いことです。
しかし、十分な翻訳スキルを持たない人が翻訳者として仕事をしているので、実力不足の翻訳者に依頼してしまうとお粗末な翻訳文が納品される可能性があります。
また、翻訳会社の場合は、翻訳者以外の人が見直しをしてから納品されますが、クラウドソーシング・サービスで翻訳を依頼した場合は、ほとんどの場合、他の人による見直しはありません。
だから、翻訳文の品質が低い可能性があります。
メリット:料金が安い
デメリット:翻訳文の品質が低い(可能性がある)
翻訳をクラウドソーシングで依頼するときに失敗しない4ステップ
翻訳の仕事をクラウドソーシングで依頼するときは、低品質な翻訳文が納品されるのを避けるために、以下のステップで依頼することをおすすめします。
- 自己紹介文などをしっかり確認する。
- メッセージを送って質問する。
- 小さい仕事を依頼する。
- 大きい仕事を依頼する。
自己紹介文などをしっかり確認する
翻訳の仕事をクラウドソーシング・サービスで依頼するときは、最初に以下の点を確認してください。
- 翻訳の仕事を十分に経験していて、高い評価を得ている。
- 自己紹介の欄に、学歴や職歴、翻訳経験、海外経験、英語の資格などを明記している。
- 得意分野(専門分野)は何なのかを明記している。
- 自己紹介文の日本語が、しっかりした日本語で書かれている。
- 翻訳料金が安すぎない。
自己紹介や専門分野の説明などがいい加減な翻訳者は、真剣度の低いいい加減な人の可能性があるので避けるべきです。
また、他の翻訳者と比べて翻訳料金が安すぎる人は、実力がない分を料金の安さでカバーしようとしているので避けるべきです。
メッセージを送って質問する
上記の点を確認した上でめぼしい人を選んだら、メッセージを送って問い合わせをします。
そして、少なくとも以下の点を確認しましょう。
- 1日にどれくらいの量の翻訳ができるのか
- あなたが依頼したい分野の翻訳は経験があるか
- 今すぐ依頼した場合、最短ではいつ納品できるか
これらは翻訳者であれば簡単に答えられる質問ばかりですので、遠慮せずに聞いてください。
もし曖昧な返事が返ってきたら、その翻訳者は避けた方がいいです。
また、返事が遅かったり、メッセージでの言葉使いが社会人として不適切に思えたりする場合は、その翻訳者は避けましょう。
小さい仕事を依頼する
こうして翻訳者を選んだら、最初から大きい仕事を依頼するのではなく小さな仕事を依頼します。
依頼するときに、納期や専門用語をどう訳すかなど、希望事項はしっかりと伝えましょう。
納品された翻訳文は、自分で読んでみて不自然なところがないか確認します。
さらに、英語が得意な人に頼んで、誤訳がないか一文ずつすべて確認してもらいましょう。
なぜなら、意味が分からなかった英文をテキトウに訳してごまかす人がいるからです。
誤訳や不自然なところが見つかったら、具体的に指摘して修正してもらいます。
このとき、自分で修正した方が速いからといって、自分で修正するのではなく、必ず翻訳者に修正してもらいます。
こうすることで、翻訳者がどのような対応をとるかを確認できますし、翻訳を依頼することになったときに、「この依頼人は細かいところまでチェックするから手抜きができないな」と思わせるためです。
大きい仕事を依頼する
少なくとも2、3回は小さな仕事を依頼して、信頼できる翻訳者と判断できたら、その人に大きな仕事を依頼します。
このときも、翻訳者に丸投げするのではなく、納品された文章をすべてチェックして、必要に応じて誤訳の修正などをしてもらいます。
クラウドソーシングでは翻訳者を育てるつもりで依頼する
翻訳会社に仕事を依頼すれば、最初から一定品質の翻訳文を期待することができます。
しかし、クラウドソーシング・サービスでは、翻訳者の力量が様々な上に、仕事に対して無責任な人もいます。
だから、クラウドソーシング・サービスで翻訳者に仕事を依頼するときは、翻訳者を注意深く選んだ上で、翻訳者を育てるつもりで依頼することが必要になります。
小さな仕事から始めて、繰り返し依頼しているうちに信頼関係ができてきます。
そして、こちらが期待していることを理解してもらえるようになります。
そうなると、翻訳会社より安い料金で、品質の高い仕事をしてもらえるようになります。
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