翻訳の仕事をするには、どれくらいの英語力が必要か?
ツイートこのコンテンツは、10年以上の経験を持つ現役のプロ翻訳者であるアキラが、翻訳の仕事についてきるだけ分かりやすく説明するメディアです。
「翻訳者になりたいのですが、どれくらいの英語力が必要ですか?」
「TOEICなら何点 必要ですか?」
と、よく質問されます。
プロの翻訳者として独立したいなら、英語力は高ければ高いにこしたことはありません。
でも、いったいどれくらいの英語力が必要なのか興味のあるところではないかと思います。
そこで、この記事では、翻訳者になるにはどれくらいの英語力が必要なのかをお話しします。
翻訳の仕事には、どれくらいの英語力が必要か
プロの翻訳者として仕事をするには、どれくらいの英語力が必要でしょうか?
翻訳に必要な英語力は、リーディング力です。
だから、リーディング力はかなり高くなければいけません。
一方、翻訳では英会話は必要ないので、スピーキングやリスニングのスキルは不要です。
「翻訳の仕事には、TOEICなら何点必要ですか?」
という質問をされることがよくあります。
リーディングセクションはかなり高得点を取る必要がありますが、リスニングセクションはできなくてもかまいません。
だから、「翻訳の仕事にはTOEICで何点必要」という言い方はできないように思います。
ただし、翻訳トライアルを受けるために履歴書を書くときは、TOEIC 900点以上を持っていないならTOEICのことは書かない方がいいです。
翻訳者の英語力アップ方法
翻訳者(和訳)に必要な英語力は、リーディング力です。
リーディング力を付けるためには、文法をしっかり勉強して、たくさんの英文を読むことです。
文法の勉強について
リーディングの基礎になるのは、文法の知識です。
文法を知らなければ、雰囲気で英文を理解することになるため、正しい訳文を作ることができません。
また、たとえ帰国子女で英会話ペラペラの人でも、英文法を学ぶ必要があります。
なぜなら、実務翻訳の仕事では、文法ルールに従って訳すというルールがあるからです。
いくら読みやすくて素晴らしい日本語訳を作っても、英文の文法を大きく外れていたら、それは実務翻訳として失格です。
原文の文法に忠実でありながら、日本語として自然な訳文を作ることが求められるのです。
翻訳に必要な文法力は、高校で学ぶレベルの文法で十分です。
だから、文法の参考書を読んで理解できたら、とりあえずOKです。
もし、英文を読んでいて分からないところがあったら、文法書やインターネットで調べれば問題ありません。
リーディングの練習について
リーディングの練習には、英字新聞を読んだり、自分の専門分野の英文を読んだりします。
書店で売られているリーディング教材は役に立ちません。
学習者向けに書かれた英文ではなく、ネイティブ向けに書かれた英文を読まなければ、ネイティブ向けに書かれた英文を読めるようにはならないからです。
インターネットで英字新聞を読んだり、専門分野のウェブサイトを読むなどすれば、リーディングはグングン上達します。
翻訳に必要な英語力
翻訳の仕事をするには、英語力は高ければ高いほどいいに決まっています。
でも、「TOEICで900点を取れるようになってから翻訳の勉強を始めよう」と思っていたら、翻訳の勉強を始めるのは、はるか先のことになってしまいます。
また、TOEICにはリスニングの練習が必要なので、翻訳の仕事に関係ないことに時間を費やすことになります。
それよりも、TOEICで600点、700点程度の実力があるなら、翻訳の勉強を開始することをおすすめします。
そして、翻訳の勉強を通じて、翻訳に必要なリーディング力を鍛えるのが、翻訳者になる近道です。