翻訳家になるにはTOEICの勉強をするべきか?
ツイートこのコンテンツは、10年以上の経験を持つ現役のプロ翻訳者であるアキラが、翻訳の仕事についてきるだけ分かりやすく説明するメディアです。
「翻訳者になるために必要なTOEICスコアは、どれくらいですか?」
「TOEICで高得点を取らないと、翻訳の仕事はできませんか?」
翻訳者になりたいという人から、よく聞かれます。
英語力の目安として、以前は英検が使われていましたが、今はTOEICを使うのが主流になっています。
企業が人材募集するときの英語力の目安としてもTOEICはよく使われるので、英語といえばTOEICという考えになるのは当然とも言えます。
そこで、この記事では、翻訳の仕事をするのにTOEICは必要なのか、どれくらいのTOEICスコアが必要なのかについてお話しします。
翻訳の仕事をするのにTOEICは必要か
在宅翻訳者になるには、翻訳会社が実施するトライアルに合格して、翻訳会社に翻訳者として登録する必要があります。
翻訳トライアルは、以下の流れで実施されます。
- 翻訳者が、翻訳会社のウェブサイトなどからトライアルに申し込む。
- 翻訳会社が、一次審査(書類審査)を実施する。
- 一次審査に受かれば、トライアルの課題が送られてくる。
- 翻訳者は、自宅でトライアルの課題に解答し、翻訳会社に送り返す。
- 翻訳会社は、課題の出来映えを審査する。
- 翻訳会社は、合否を通知する。
つまり、最初に翻訳会社のトライアルに申し込むわけですが、トライアルを受けるための条件として、TOEICスコアが記載されているのを見たことがありません。
TOEICの点数に関係なくトライアルに申し込むことができるということです。
トライアルに申し込むときに、一次審査のために履歴書・職歴書を送ります。
このときに、履歴書にTOEICの点数を書いておけば、ある程度の英語力を持っているという証明になります。
でも、履歴書にTOEICの点数を書いていなくてもトライアルは受けることができるので、翻訳の仕事するのにTOEICが必須であるとは言えません。
もちろん、TOEICスコアを記載していなくても、十分な翻訳スキルを持っていればトライアルに合格することはできます。
だから、TOEICスコアは、「あればいいけど、なくてもいい」程度のものと考えてください。
履歴書に書く場合、TOEICスコアは何点必要か?
一次審査のときに履歴書にTOEICスコアを記載すると、どれくらいの英語力を持っているかを示すことができます。
では、どれくらいのTOEICスコアがあれば、履歴書に書けるでしょうか?
TOEICでは、リーディング力とリスニング力がテストされます。
でも、翻訳の仕事では、リーディングは必要ですがリスニング力は必要ありません。
極端な話、リーディングが得意であればリスニング力ゼロでも大丈夫です。
だから、翻訳に必要な英語力をTOEICスコアで表すことはできません。
しかし、TOEICで高得点を取れるなら英語力の証明になるので書いておいた方がいいでしょう。
履歴書に記載する場合、TOEIC 900点以上を持っているのであれば記載してください。
それ以下なら、記載しないことをおすすめします。
翻訳者になるためにTOEICの勉強をするべきか?
「翻訳の勉強をする前に、TOEIC 900点取れるまで英語を勉強するべきですか?」
という質問を受けることがあります。
でも、翻訳者になるために、まずTOEICの勉強をするべきかというと、私は必要ないと思います。
翻訳会社にTOEICスコアを知らせなくてもトライアルは受けられるからです。
また、TOEICのためにリスニングの勉強をする時間があれば、翻訳の勉強をした方が時間の有効活用になります。
さらに言えば、TOEICの勉強をしても試験英語のテクニックが身に付くだけで、翻訳や英会話に必要なスキルは身に付きません。
翻訳の仕事をしたいなら、文法を勉強してからすぐに翻訳の勉強を始めるべきです。
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