翻訳トライアルとは?受験の流れ6ステップを解説します
ツイートこのコンテンツは、10年以上の経験を持つ現役のプロ翻訳者であるアキラが、翻訳の仕事についてきるだけ分かりやすく説明するメディアです。
「翻訳家になるには、翻訳トライアルを受ける必要があるらしいけど、トライアルって何をするの?」
「難しそうだけど、自分にもできるかな?」
翻訳者になるには、最初の難関として翻訳会社が実施するトライアルに合格する必要があります。
翻訳会社のトライアルに合格して初めて、翻訳の仕事を受注することができます。
でも、いったいどんな問題を出されるのか分からないので、「私にもできるかな?」と不安になるものです。
そこでこの記事では、翻訳者の登竜門である翻訳トライアルとは何かについてお話しします。
翻訳トライアルとは?どのように行われるの?
在宅で翻訳の仕事をする場合、ほとんどの場合、翻訳者は翻訳会社と契約して、翻訳会社から仕事を受注することになります。
翻訳会社は、メーカーや貿易会社、大学などから翻訳の仕事を受注して、それを在宅翻訳者に振り分けるわけです。
在宅翻訳者が翻訳会社と契約するためには、翻訳会社が提供する試験である「トライアル」に合格し、十分な翻訳スキルを持っていることを証明する必要があります。
この試験が、翻訳トライアルです。
翻訳トライアルは、それぞれの翻訳会社が独自に実施するものなので、翻訳会社によって難易度や合格基準は様々です。
翻訳トライアルの流れ
翻訳トライアルとは、どのような流れで行われるかについてお話しします。
最初に、一般的な順序をお伝えします。
- 翻訳者が、翻訳会社のウェブサイトなどからトライアルに申し込む。
- 翻訳会社が、一次審査(書類審査)を実施する。
- 一次審査に受かれば、トライアルの課題が送られてくる。
- 翻訳者は、自宅でトライアルの課題に解答し、翻訳会社に送り返す。
- 翻訳会社は、課題の出来映えを審査する。
- 翻訳会社は、合否を通知する。
以下に、1から5について説明します。
翻訳者が、翻訳会社のウェブサイトなどからトライアルに申し込む
翻訳会社の求人広告は、翻訳会社のウェブサイトに掲載されています。
通訳翻訳ジャーナルのような雑誌にも掲載されていますが、ウェブサイトで検索すれば十分です。
求人欄に載っている指示に従って、履歴・職歴・翻訳経験などの情報を送ります。
翻訳会社が、一次審査(書類審査)を実施する
受け取った情報をもとに、翻訳会社は、応募者にトライアルを受ける資格があるかどうかを判断します。
申し込み書類がいい加減だったりすると一次審査で落とされる可能性があるので、応募書類はしっかり作り込む必要があります。
一次審査に受かれば、トライアルの課題が送られてくる
通常、トライアル課題はメールの添付ファイルで送られてきます。
多くの場合、一般的な文章の翻訳と、翻訳者の専門分野の翻訳の両方が課題として与えられます。
翻訳課題の分量はそれほど多くないので、ある程度翻訳に慣れた人ならすぐにできてしまいます。
翻訳会社によっては、文法問題を出してくるところもあります。
翻訳者は、自宅でトライアルの課題に解答し、翻訳会社に送り返す
翻訳トライアルの期限は、1週間から2週間くらいを指定されることが多いようです。
課題文を翻訳したらメールの添付ファイルとして提出します。
翻訳会社は、課題の出来映えを審査する
翻訳会社によって、異なる審査基準を持っています。
流ちょうな日本語文を重視する会社もあれば、原文への忠実さを重視する会社もあります。
何が重視されているかは、翻訳者には分かりません。
このため、経験豊富な翻訳者でも、原文への忠実さを重視している会社に流ちょうな日本語の翻訳文を送ったら不合格になることもあります。
これは、翻訳会社と翻訳者の「相性」が合わなかったと考えるべきです。
翻訳会社は、合否を通知する
トライアルを提出してから、数日から数週間後にトライアルの合否がメールで通知されます。
みごと合格すれば、その後、契約書類が送られてきます。
不合格の場合もメールで連絡が届きますが、不合格の理由を聞くことはできません。
トライアルの合否通知が届くまでに、数か月も待たされることがあります。
恐らく、担当者がトライアルの対応を後回しにしているものと思われます。
2週間ほど待っても連絡がないなら、メールで問い合わせてみるといいでしょう。
トライアルに合格すれば翻訳の仕事ができるのか?
翻訳トライアルに合格すれば、晴れて翻訳者として翻訳会社に登録されることになります。
しかし、翻訳会社に登録すれば仕事が次々と舞い込んでくるかというと、そんなことは滅多にありません。
なぜなら、翻訳会社には、以前から取り引きのある翻訳者がいるため、その人達を差し置いて新しい翻訳者に仕事を依頼することはないからです。
翻訳トライアルで、かなり優秀な成績を取らないかぎり、すぐに仕事の依頼が来るということはあまりありません。
ですので、トライアルに1つ合格したからといって、その翻訳会社から仕事の依頼が来るのを待つのではなく、次々と別の翻訳会社のトライアルを受けることをおすすめします。
いろいろな会社のトライアルを受けているうちに、トライアルに合格するコツのようなものが分かってきます。
そして、そのうち、以前トライアルに合格した翻訳会社から仕事の依頼が来るはずです。
私の場合は、初めての仕事は、トライアルに合格してから3か月ほど後にやって来ました。
そして、その後は、絶え間なく仕事の依頼が続くことになりました。
いつ翻訳会社から初仕事の依頼があるかは、トライアルを受けるタイミングによって決まります。
翻訳会社が新しい翻訳者を探しているときに、タイミングよくトライアルを受けたら、すぐに仕事の依頼があることもあります。
でも、合格してすぐに仕事の依頼があることは多くないので、仕事の依頼がなくても気にせずに、別のトライアルを受けることをおすすめします。
未経験者が翻訳トライアルに合格して仕事を獲得するには
翻訳実務の未経験者がトライアルに合格して、仕事を継続的に受注できるようになるには、しっかりした翻訳スキルを身に付ける必要があります。
翻訳スキルは、我流で身に付くものではないので、翻訳の専門学校か通信講座で勉強しなければなりません。
どのような勉強が必要かを知りたい場合は、以下のページから超短期通信講座に参加してください。
無料で受けられるし、不要になればいつでも解除できるので気軽にどうぞ。